ライセン大迷宮を攻略し、いま再び最強を超えろ
異世界にクラスごと召喚された南雲ハジメは、オルクス大迷宮の奈落でユエと出会い、地上に生還した。
久しぶりの地上を満喫するハジメとユエだったが、魔物に追われる兎人族の少女シア・ハウリアから助けを求められてしまう。
未来視の能力で、ハジメが一族の危機を救う未来を見たシアは、ライセン大峡谷で彼を探していたのだという。
断ろうとするハジメだったが、その依頼は元の世界に戻る手がかりとなる七大迷宮踏破に繋がっており――!?
「化け物でよかったです。御蔭で貴方について行けます」
『ありふれた職業で世界最強 2巻』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてあります。
ですので、未読の方やネタバレを見たくない方でも、そこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
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ネタバレなしの感想
『ありふれた職業で世界最強 2巻』は、前後半の2部構成になっていると思います。
前半パートは兎人族の一部族であるハウリア族の娘『シア』と出会い、『シア』と親しくなる過程とハウリア族を鍛えるパートをコメディとして描かれています。
後半パートは、『シア』を仲間に加えた『ハジメ』と『ユエ』が7大迷宮の一つである「ライセン大峡谷」に挑み、迷宮を攻略していくパートをこちらもコメディ風に描いています。
と言う訳で、今回はコメディ多めの編成になっていますね。
『シア』というキャラクターは根が明るいですし、突っ込みを受ける側のキャラクターなので『ハジメ』一行の賑やかし役として大いに目立っていますね。
彼女が『ハジメ』達に仲間として認められようと頑張る姿は健気で結構好みでした。
だからこそ、序盤中盤と『ハジメ』と『ユエ』に必要以上に邪険にされたり、いたぶられている姿は、見るのが辛かったですね。
コメディとして描いているのは分かるのですが、笑えないコメディネタなのでシリアスパートで虐げられる以上に見ていてつらかったです。
この辺は読む人に合う、合わないが先に来ると思いますから、きっと合う人にはそんな邪険にされる姿もコメディとして笑えて楽しめるんでしょうね。
後半の「ライセン大峡谷」攻略は楽しめました。
強くし過ぎた部分もある『ハジメ』達一行に制約を設けて楽に迷宮を攻略させないところは、私の好みに合いましたよ。
無双出来るキャラクターとはいえ何でも簡単に攻略できてしまうと楽しめず興ざめですから、苦戦はするけれども仲間との協力をしつつ攻略できるというさじ加減は良かったと思います。
元いた場所に帰ろうとする『ハジメ』
彼が帰還するための手段を求めて7大迷宮を廻っていくようですが、それだけでは済みそうにないですね。
召喚し運命を捻じ曲げた異世界の神の存在や、道を踏み外してしまったようなクラスメイト
彼らと出会ったとき、『ハジメ』がどう対峙するのか?
今の『ハジメ』ですと邪魔するものは全て排除するのでしょうが、そんな『ハジメ』と出会った時のクラスメイトの反応が楽しみです。
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ネタバレありの感想
ここから下は『ありふれた職業で世界最強 2巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
コメディ部分が合わない理由
『ありふれた職業で世界最強 1巻』のシリアスパートが面白かったので『ありふれた職業で世界最強 2巻』も読んだのですが、コメディパート多めで私の好みとしてはちょっとキツかったです。
正直、1巻の時にも思いましたが私はこの作品のコメディパートが楽しめていないです。
どうして、楽しめないのかを考えてみましたが、2巻で言うと2つの点で楽しめなかったんだと思います。
1つは1巻でも触れましたがコメディネタとして多用されているネットスラングと他作品ネタが面白いと思えないからです。
異世界での冒険や戦いを楽しんでいるところに、現代日本のネットネタが出てきてしまって物語から戻されちゃうですよね。
コメディパートのワンポイントで使うのならまあネタだからなって思うんですが。。。
もう一つの理由がヒロイン『シア』に対する過剰な暴力描写です。あとハウリア族も被害者っていえば被害者か。
キャラクターとして残念キャラ耐久キャラという属性を『シア』に与えていることから、元々弄ることを目的としているのは分かるのですが、読者の私視点からすると過剰すぎて引いてしまうんですよね。
コメディパートですし少将弄ることまではうるさく言いませんが、いじりのレベルがデコピンや軽いチョップレベルじゃなく、大ダメージを与える様な魔法を使っているところにドン引きですよ。笑えないです。
『シア』というキャラクターへの愛情があるうえでの攻撃でもなんでもなく、出会った時から殺す気でしょ君ってぐらい酷いんで。
結果的にハウリア族や『シア』が救われているからいいけど、なんでここまで『ハジメ』が横暴に行動できるのかが良く分からないんですよね。
「弱くても他者を大事にできた」状態から、「強くなれたが他者に対して横暴になった」という対比を印象付けるためなのかな?
強くなった主人公『ハジメ』がコメディパートでみせる姿は、笑いというより単なる理不尽な弄りなのでキツイです。
素直に楽しめなくなったのなら読まない方がいいかなとも思うのですが、シリアスパートでの『ハジメ』が最強になっていく過程は楽しめたので続刊も読んでいこうとは思います。
『ありふれた職業で世界最強 2巻』でも『シア』の努力が報われてく部分や、その頑張りを『ハジメ』や『ユエ』に認められ受け入れらていくパートは凄く良かったですから。
次巻『ありふれた職業で世界最強 3巻』では、『ハジメ』たちとクラスメイトがいよいよ再開しそうですね。
明らかに小物の焦り悪落ちした様な描写がされていましたが、きっと『ハジメ』に瞬殺されるんだろうなあ(笑)
どのような再会をするのかを楽しみに次巻を読もうと思います。
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今回の勧めは『戦闘城塞マスラヲ』です。
本作の主人公『川村ヒデオ』も強くなる前の『ハジメ』以上に貧弱最弱です。
ですが、『川村ヒデオ』は巡り合わせと運、意思の力で格上のライバルたちを倒していきますし、倒したライバルたちとも心の交流を重ねていきます。
『ハジメ』の様に『川村ヒデオ』も最強の力を最終的に手に入れますが、それでも他者を敵を蔑ろにせず認めていく姿をみせてくれます。
心の強さを見せてくれた『川村ヒデオ』の姿にこそ本当の最強と言える気がします。
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