三月町の夏まつりで島田と初めて出会い、あかりと林田は、思いがけずそれぞれに転機を迎えることに。8月に開催される真夏の戦い・東洋オープンで、二海堂は“宗谷を倒した男”になるべく負けん気をたぎらせる。彼の指す将棋の駒音が、零や宗谷や滑川達、他の棋士達の胸中にまで響き渡っていく
2017年10月14日よりアニメ二期放送開始の『3月のライオン』
その原作最新刊である『3月のライオン 13巻』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてありますので、未読の方やネタバレを見たくない方でもそこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
『3月のライオン』も連載開始から10年を経過している長期シリーズになっていたんですね。物語の歩みはしっかりしているのですが、そこまで時間がたっていたとは思いませんでしたよ。
キャラクター達も時間を積み重ねてきたからこそ、成長を感じることも愛着を感じることも大きいのかもしれないなっと思いました。
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ネタバレなしの感想
『3月のライオン 13巻』のメインは『あかりさん』の恋愛面のお話と、『二海堂』VS『宗谷名人』の二編となっております。
そして周辺のキャラクター2人を中心としたサブ二編で構成されております。
主人公『桐山零』がメインとなっている描写は少なかったのですが、前巻でも『桐山零』と『川本家』を中心とした日常回ともいえましたので、前巻と今巻で次のシリーズまでの繋ぎの巻というような印象を抱きました。
繋ぎの巻とは言いましたが、『あかりさん』の恋愛話は面白いし考えさせられましたし、『二階堂』の将棋には興奮しましたし、彼の状態に不穏な雰囲気を感じたりしました。
1話1話は短かったのですが、その時のメインキャラクターたちの想いを見て、時に同意をしたり、胸が痛くなったりしましたよ。
特に『林田先生』の内面描写は分かる分かると同意しつつも、自分の過去を思い出して胸が本当に痛くなりました。
『あかりさん』を巡る恋愛面もやっと何か動き出しそうな気配を感じた『3月のライオン 13巻』
その先行きを楽しみにしつつ、次巻『3月のライオン 14巻』の発売を待とうと思います。
発売は来年以降でしょうね。連載分を中途半端に読まず、単行本発売まで我慢しようと思います。
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ネタバレありの感想
ここから下は『3月のライオン 13巻』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
あかりさんの恋愛話について
既刊でも『あかりさん』は登場人物たちに好意を寄せられているという描写はありました。
ですが、その好意はファンがアイドルに向ける様な眼差しであり、崇拝の感情であると思います。1人の女性である『あかりさん』と共に過ごしていきたいという感じではありませんでした。
ですが、『3月のライオン 13巻』で描かれた『林田先生』の内面をみますと、『林田先生』は1人の女性として『あかりさん』を見ていますし、人間である『あかりさん』とお付き合いしたいと考えていますから。
『あかりさん』は、家族を『桐山零』を周囲の人たちを明るくしてくれる女神のような女性です。
ですが、実際は恋を恐れる一人の女性なのです。そんな一人の女性である『あかりさん』を幸せにできるのは、崇拝の感情ではなく恋心をぶつけることができた『林田先生』が相応しい様に思うのですよね。
『あかりさん』と一緒の時を過ごしたいと思い行動に移した『林田先生』は、カッコ悪く見えても無様に見えても、その芯にある気持ちの部分は男らしくカッコよく思えます。
『島田八段』側の内面描写がまだないので分かりませんが、『島田八段』も『あかりさん』に本気で向かっているのだったとしても、私は『林田先生』を応援したいなって思います。
例え憧れのアイドルである『島田八段』が『あかりさん』を好きだとしても、譲ることは出来ないという決意を見せた『林田先生』が好きになりましたから!
『あかりさん』側も『島田八段』と『林田先生』を恋愛対象として僅かですが意識していますので、実質この2人の一騎打ちの様にみえますね。
この3人の恋愛面の決着も楽しみです。
二海堂について
今巻で一番将棋方面で活躍したのは、間違いなく彼『二海堂』ですね。
あの『宗谷名人』をあと一歩まで追い詰め、『宗谷名人』の中にも『二海堂』の存在を植え付けたと思います。
その姿を脇で見ている事しかできなかった『桐山零』の胸には、単純な嫉妬以上の感情を抱かせたように思えます。
遙かな高みにいる目標である『宗谷名人』、共に切磋琢磨する同年のライバル『二海堂』、その2人が自分を除いて盛り上がっている訳ですからね。そりゃ、単純に『嫉妬』で片づけられない想いになりますよね。
『宗谷名人』との一局で確かな才能の煌めきを見せた『二海道』ですが、ここにきて体調の問題が再度クローズアップされたように思えます。
「「長く生きられない」とか「何物にもなれない」とか全部嘘っぱちだったんだろ?」という、対局中の『二海堂』の独白が不穏なフラグに想えて仕方ないですよ。
その後の短編に書かれた『滑川』の独白に、「強い閃光と 崩れるよう倒れた彼の姿が重なって何度もリピートされた」あり、より不穏に感じてしまいますよ。
強い閃光を放ち一瞬で消えてしまう稲妻と、彼『二海堂』の姿を重ねてしまえるほど、『二海堂』の状態が危ういのかと思えてしまいます。
『二海堂』が長く生きられないであることは、読者も認識はしていると思いますが、できれば作品が完結するまで、『二海堂』が倒れず将棋を楽しんでもらいたいと心から願います。
おすすめ
将棋作品でお勧めとなるとラノベですと『りゅうおうのおしごと!』です。
将棋をメインとしたライトノベルと結構変わった作品ですが、将棋もつ面白さと棋士たちの本気さ熱さをこれでもかと描く名作だと思います。
自分はちょっとヒロイン格の幼女の描写に合わないものがあり積み本になっています。ですが、最近の巻ではその幼女の描写を抑えて、棋士である主人公をメインに将棋描写を熱く描いていると感想がありましたので、再読をしようかと思っております。
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