悪逆無道の魔皇ヤルダバオトの襲撃。正義が惑う12巻。
巨大な城壁を擁し、長く平和を誇った聖王国を亜人連合軍が突如、襲撃。
連合軍の総大将は魔皇ヤルダバオト。
残忍冷酷な魔皇によって聖王国は国崩壊の危機に直面する。
苦難の民を救うため解放軍が救いを求めたのは
聖王国にとって不倶戴天の敵であるアンデッドを王に戴く魔導国。
アインズ・ウール・ゴウン魔導王に導かれ
聖王国は魔皇ヤルダバオトの討伐に乗りだす。

2018年1月 オーバーロード アニメ2期開始決定
その『オーバーロード』の最新刊である『オーバーロード 12巻 聖王国の聖騎士 上』のネタバレありの感想になります。
ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてありますので、未読の方やネタバレを見たくない方でもそこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。
1年ぶりの新刊ですね!
2017年9月末発売と知った時は嬉しかったですし、もうちょっと待てば発売されるとワクワクしていましたよ。『オーバーロード 12巻』の発売されているとの情報をネット上で見たときは、買いに行かねばと速攻会社をでて買いに行きました。
期待通り、いや、期待以上に面白かったのですが、まだ上巻です。これから出る『オーバーロード 13 聖王国の聖騎士 下』では更に盛り上がると思うと楽しみが尽きないですね!
アニメ第2期が2018年1月から3月放映ですから、『オーバーロード 13巻 聖王国の聖騎士 下』の発売もその位なんでしょね。半年待てば出ると思えば、何とか飢餓感にも耐えられそうです(笑)
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ネタバレなしの感想
1年ぶりに出た待望の新刊ですが、上にも書きました通り待った甲斐がある面白さでした。
タイトルに『聖王国の聖騎士 上』とあるとおり『聖王国の聖騎士』という物語
を盛り上げるための準備回という感じで『オーバーロード 13巻 聖王国の聖騎士
下』をより面白くするための準備が積み重ねていました。
そういう訳で大きな盛り上がり場面こそありませんでしたが、この巻単体でも面
白さは損なわれてい無いと思います。
オーバーロードファンの私の言うことなので信憑性に薄いかもしれませんが、面
白さのあまり読み終わるまで読むのが止まりませんでしたし、次の日にもう一度読
み返してしまうほどには面白かったです。
今巻で私が面白さを感じたポイントは、『ヤルダバオト』の聖王国蹂躙シーン、
新キャラクター『ネイア』、そして『アインズ様』の勘違いコメディというところ
でした。
巻頭から始まる『ヤルダバオト』による蹂躙シーンは圧巻でしたよ。圧倒的強者
を前にすれば人間の強さなど儚いものですね。しかも、蹂躙される前に蹂躙される
側の彫り下げがされていますので、蹂躙される側への憐憫と蹂躙する側の強さが際
立ちますね。
蹂躙される側の掘り下げが巧みなことが『オーバーロード』という作品を魅力的
にしている一員だと思います。
味方からの過大な評価に戸惑い悩みながらも正解を導き出す『アインズ様』のお
姿、意識しないで行った言動で思いもよらぬカリスマ性を発揮する『アインズ様』
と『アインズ様』のすばらしさはこの巻でも十二分に味わうことができましたので
、私的には大満足ですよ。
コメディ部分では愛らしいアインズ様ですが、ただのコミカルなキャラクターで
は終わらず圧倒的な強者としての立場も見せてくれるところが堪らないですね。圧
倒的な強者である『アインズ様』のだからこそ、新キャラクター『ネイア』も惹き
つけられるのでしょうし、我々読者も魅せられてしまうのでしょうね。
『ネイア』というキャラクターもこの巻から登場した新キャラクターですが、彼女視点での描写が多いので愛着がわいています。
魅力的なキャラでもナザリック陣営ではないといつ死ぬか分からない不安があります。できたら『ネイア』には生き残ってもらいたいなって思っています。
まずは『オーバーロード 13巻』での最初の山場を乗り切れれば生き残れると思うので、頑張ってくれー
本当に『オーバーロード』が大好きな読者の感想なので贔屓は入っていると思いますが、それを込みにしても面白いことには間違いありません!
オーバーロード 既刊を読んでいる方は是非購入して読んでいただければと思います。
もし未読の読者の方がこの感想を読んでおりましたら、決して損はしないと思いますので既刊1巻から読んでいただければと思います。
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ネタバレありの感想
ここから下は『オーバーロード12巻 聖王国の聖騎士 上』のネタバレありの感想になります。
未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。
ネイア・バラハ
『オーバーロード 12巻』で登場した新キャラクター『ネイア・バラハ』。今巻は彼女目線での描写が多いので、読者目線としては彼女に愛着がわきますね。
殺し屋のような目つきだとか犯罪者然とした目つきと、外見について散々な描写をされていますが、上司である『レメディオス』の理不尽な言動に負けずに頑張る彼女を見ると可愛いキャラクターに見えてきます。
作者の丸山くがね先生は彼女のことを色物と言っていましたが、いじめに負けない健気なヒロインの様に見えて、本当に好きになりましたよ。
上にも書きましたが『ネイア・バラハ』視点での描写が多いのですが、徐々に『アインズ様』に傾倒していく描写が凄いなって思います。
彼女にとっての身内のはずの聖王国の騎士達には評価されない上に理不尽な目に遭っていたところで、『アインズ様』の何気ない優しさに癒された上に彼女の努力や才能を認めてくれた訳ですから、『アインズ様』を尊敬し好意的になるのは当然ですね。
しかも、『アインズ様』は圧倒的な強者であり絶大な力を持っています。聖王国の聖騎士達に叶えられないことを容易く行えるわけですから、ますます『ネイア』が『アインズ様』に傾倒してしまうのも分かる気がします。
まあ、傾倒しすぎて『アインズ様』のことを王の中の王とか想っている訳ですから、『アインズ様』が『ネイア』のこの感情を知ったら驚くでしょうね。
『アインズ様』に対する尊敬の念はナザリック陣営のキャラクター並みですし、『アインズ様』を持ち上げる言葉は『アインズ様』が恥ずかしさのあまり止めてしまうくらいですからね(笑)
『オーバーロード 12巻』と『オーバーロード 13巻』のサブタイトルである『聖王国の聖騎士』は『ネイア』のことを表しているのでしょうね。
この『ヤルダバオト』による戦乱の中で、『ネイア』の中の「正義」というものが定まり、『ネイア』が自身が信じる正義を実現する「聖騎士」となる物語なのだと思います。
『オーバーロード 12巻』の内容から思うに、彼女の正義は彼女視点での『アインズ様』によって具現されているのではないかと思えます。
大を救い小も救うという偉業をなすためには大いなる力が必要であり、そしてその力をもつ方が魔導王『アインズ様』ですから。
『ネイア』にとっての正義を具現する存在が『アインズ様』であるとするならば、その『アインズ様』の聖騎士となり、また『アインズ様』の狂信者となる物語になるのでしょうね。
この巻の引きで『アインズ様』が告げた言葉「助ける必要のある人間はいない。適当に間引け」から、『ネイア』死ぬかもしれないと危惧する向きもありますが、彼女は絶対に死なないですわ。
物語の視点が減ってしまうという舞台装置的な点もありますが、それだけではなく今巻の作中で生存フラグいっぱい立てているから大丈夫だと思いますよ。
生存フラグを列挙すると以下の項目があります
・『アインズ様』にレアだと評価された点
聖騎士なのに遠距離武器特化。「変わった組み合わせはレア職への道」と『アインズ様』にレア認定されています。レアと評価された場合は出来るだけ殺さない出来ていますからポイント高いです。
・かつてのギルド『アインズ・ウール・ゴウン』のことを褒めている点
『アインズ様』はギルドのことを褒められると好意的になってしまうチョロインだからこれは大きな生存フラグのはずです。逆にけなした瞬間死亡フラグだから怖いですね。
・『アインズ様』が『ネイア』のことを評価しているコメントをしている。
『アインズ様』の本心は別として『ネイア』のことを「非常に優秀だ。こういった従者を私も欲しいぐらいだ』と口に出していますから、これを聞いた『デミウルゴス』が彼女のことを殺すとは思えません。
色々と理由を作って私自身を安心させているだけの気がしますが、正直『ネイア』というキャラクターが好きになったので生き残ってほしいという願望全面出しですよ。
本当に『オーバーロード 13巻 聖王国の聖騎士 下』で彼女が生き残っているか?すぐにでも確認したいですよ。ですので、早く新刊を読みたいですわ。
流石アインズ様
そんな『ネイア』に多大な尊敬をされている『アインズ様』ですが、この巻でも『デミウルゴス』の無茶ぶりに四苦八苦していますね(笑)
『デミウルゴス』には「究極の頂点」と評価されていますが、『アインズ様』自身が知ったら「もう止めてくれ」と泣き出してしまうんじゃないでしょうか。
むしろ『デミウルゴス』がいう処の「極度の愚者」の方が『アインズ様』の本質に近い気がしますね。『デミウルゴス』にとっての想定外の事態を毎回毎回引き起こしてくれますので。
『アインズ様』が四苦八苦しながら一生懸命頑張ると、周囲が誤解したり過大評価から判断したりで結果的にうまくいく姿が楽しいから読者的に面白いのですが、『デミウルゴス』のような知者からすると想定外の動きなんでしょうね。
今回も『デミウルゴス』の無茶ぶりに何とか対応しようと頑張った結果が、『ネイア』の崇拝を得る結果になっていますからね。
本当に『アインズ様』には細かいシナリオを用意するよりアドリブで動いてもらった方が上手くいきますし面白くなりますわ。
『デミウルゴス』のシナリオに乗って頑張ったのに狙い通りにうまくいかないと落ち込む『アインズ様』は可愛いですし、無意識や無自覚で行ったことが想定外にうまくいきすぎて楽しめますし、本当、『アインズ様』が動くと話が面白く動きますね。さすがアインズ様。。。
次巻『オーバーロード 13巻』の予告で「次こそアインズ死ぬ」と書かれていましたが、『アインズ様』が死ぬ展開が思いつかないな。
作者の丸山くがね先生による『オーバーロード 12巻』の作者雑感では、『アインズ様』の死を知った人の反応が「幕間」に描かれるそうなので、死ぬのは確定なんだけど、ワザとらしく死んですぐ復活するのだろうか?
幕間の反応も含めて気になり過ぎて、続刊を早く読みたいな。
今冬発売予定を信じて1月末発売を夢見ますよ。
ヤルダバオトさん
物語序盤で大暴れの『ヤルダバオト』さんですが、一体何デミウルゴスなんだ!?とネタで言われていましたが、『ヤルダバオト』さんの中身が『デミウルゴス』じゃなくて驚きましたよ。
聖王女を棍棒扱にしての直接的な暴力で蹂躙していたところで若干の違和感は感じていましたし、憤怒の表情を浮かべた悪魔に変身したところでも違和感を感じていましたが、確証はなかったんですよ。
でも、上にも書きました作者雑感でやっぱりそうだったんだと確信できましたよ。
『デミウルゴス』がそんな直接的な暴力で苦しめる様な事をせず、搦め手でもっと聖王女と聖騎士たちの心を苦しめるようなもっとえげつない行為を行った気がしますからね。
『ヤルダバオト』の偽物を用意したのは、後々『アインズ様』に偽『ヤルダバオト』を倒させるためなんでしょうね。
『ヤルダバオト』を衆目の中で倒し、魔導国と『ヤルダバオト』が無関係であるとうことを証明する意味もありそうな気がします。本当に酷いマッチポンプだ。
『デミウルゴス』の用意したシナリオの2つ目の山場は次巻で行われるはずの防衛戦でしょうね。『アインズ様』が伝えた「適当に間引け」の言葉を『デミウルゴス』がどう裏読みするかが楽しみで仕方ないですよ!
きっと、『デミウルゴス』が「「適当に」という言葉は私を試されているに違いない。真に主人の思いを汲むことができれば生き残らせる人間が分かるはずとのことだ」とか考えて深読みしそうですね。
深読みしたことで、『ネイア』を殺さないかどうか試されているに違いないと『デミウルゴス』が判断して『ネイア』が生き残れるはず!だといいなあ(願望)
『デミウルゴス』メイン回は久々なので『オーバーロード 13巻』ではもっと前面に出てきてくれると楽しいな。
『オーバーロード6巻 王国の漢たち 下』の時の様に、周りが死闘している中で『アインズ様』と談合をする『デミウルゴス』の姿が見たいなあ。
ドッペルゲンガーは誰に化けているか?
『オーバーロード 12巻』のクライマックスで『アインズ様』の前に姿を現した『ドッペルゲンガー』
その『ドッペルゲンガー』は、聖王国の有力者に化けています。
候補としては以下の3人ですね
王兄カスポンド
団長レメディオス
副団長グスターボ
ドッペルゲンガーの説明で「カルマ値などの様々な条件がついている武具ですら使いこなすことができる」とあることから、聖剣を持つ『レメディオス』が候補に挙がってきますが、流石に彼女は無いかなって思います。
作中で『アインズ様』のことを躊躇わずに呼び捨てにしているところから、対象から外していいんじゃないかって思いますね。芝居で呼び捨てにしている事もあるかなって思いましたが、『ナーベラル』は許可があっても『モモン』のことを呼び捨てにできませんでしたし、それを考えれば『アインズ様』を呼び捨てにしている『レメディオス』はないかなって判断しました。
となると残りの候補は2人に絞れますが、『グスターボ』の方は性格が変わったという描写がなく、『カスポンド』の方は性格が変わったという描写があります。
『ドッペルゲンガー』が相手の記憶や性格を複写できるという設定があると記載がなかったので、性格が全く同じには出来ないんじゃないかと思います。
そうなると作中で性格が変わったと明確に描写がある『カスポンド』が最有力候補じゃないかと思えますね。
『デミウルゴス』のシナリオに沿って防衛戦を行うよう流れを作ったのも『カスポンド』なので、この予想は的中率高いんじゃないでしょうか?
もし外れていたら『オーバーロード 13巻』の感想書くときに恥ずかしい良い訳をしないといけないでしょうね(笑)
1年ぶりのオーバーロードの新刊でしたので、ついつい色んなことを語りたいと長文の感想というか雑記になってしまいました。
私がここまで面白いと思い、何度も読み返す小説は近年だと『オーバーロード』ぐらいです。
既刊12巻を読みましたが全くパワーダウンすることなく右肩上がりの面白い作品ですので、完結までこの作品を追い続けようと思います。
次巻『オーバーロード 13巻』が出ましたら、発売日に読んですぐに感想を挙げようと思います。
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今回のお勧めは、聖騎士繋がりで『最果てのパラディン』です。
最果てのパラディンの主人公である『ウィル』くんも、我々一般人から見れば十分に狂信者に見受けられますね。
女神グレイスフィールに仕え、不死者たちと戦う『ウィル』は聖人であるともいえますがその生き方を真似することを出来ない一般人からすると気持ちを理解できない面がありますから。
そんな『ウィル』と『アインズ様』がもし出会ってしまったらどんな死闘を行われるかハラハラしますね。どちらも超越者ですが果たしてどちらが勝つのだろうか?
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この記事へのコメント
名無しックス
生存フラグに関して言わせていただくと、アルティメイト・シューティングスター・スーパーがまだネイア嬢の手元にあることが挙げられると思います。
これまでと違い、12巻は完全にネイア嬢個人の視点からによる流れなので、いくつかの「不完全な(ネイア嬢の勝手な)解釈」が在ります。
(大墳墓侵入のアルシェにやや似ていると感じています)
ヤルダバオトが(この武器は…まさかアインズ様の!?)みたいな展開もあるのではないかと思います。
アインズ様死亡はおそらくデミウルゴスの策略の一つで、今後の魔導国統治のための一環に過ぎないのではないでしょうか。
くじらさん
確かに「アルティメイト・シューティングスター・スーパー」をまだ持っているのは大きな生存フラグですね。オーバーロード 3巻でモモンから与えられたポーションを所持していたおかげで生きていた「ブリタ」という存在もありましたし。
これは私の大好きな『ネイア嬢』の生存フラグ向上で嬉しいところです。
アインズ様死亡は名無しックスさんの予想通りなのでしょうね。
アインズ様の死により潜在的反逆者の洗い出しや、王国側の軽挙妄動をさそうことや、死をも超越するアインズ様の凄さを出すのが目的なような気がしますね。