ゴブリンスレイヤー 6巻 感想 ネタバレ あらすじ

ゴブリンスレイヤー6 (GA文庫)

《Amazonからのあらすじ引用》「やりたい事と、やらなきゃならん事と、できる事は違うな」
春、ゴブリンだけを退治したいという冒険者が現れた――。
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第6弾!

「ゴブリンを退治したい、それ以外はしたくない、と言っていて……」
「一党は?」
「ないみたいです」
「馬鹿げている」
新たな冒険者希望者の集まる春。ゴブリン退治だけを希望する魔術師の少年が受付嬢を困らせていた。
一方、辺境の街から少し離れた場所に、冒険者訓練場が建設中。そこには、かつて村があったことを、ゴブリンスレイヤーは知っていた――。
「ゴブリンをぶっ殺すんだ!」
少年魔術師らと一党を組むことになったゴブリンスレイヤーたちはゴブリンの跋扈する陵墓へと向かう。
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第6弾!


大人気シリーズ『ゴブリンスレイヤー』

その『ゴブリンスレイヤー』の新刊『ゴブリンスレイヤー 6巻』のネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想になる前に注意書きをおいてありますので、未読の方やネタバレを見たくない方でもそこまでは読んでいただいても大丈夫なはずです。

表紙は麗しき『妖精弓手』さんです。表紙ではメインとなっていますが、今巻のメインヒロインは『女神官』でしたね。

ヒロイン勢4人が表紙をローテーションで飾っていますので、『ゴブリンスレイヤー 7巻』の表紙は『牛飼い娘』さんが表紙にいるはずです。

個人的にはヒロインローテーションの中に『剣の乙女』さんも加えてほしいなと思っています(笑)


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ネタバレなしの感想


ゴブリンだけを倒すことを目標とした『少年魔術師』を中心に据えて、新人冒険者たちの生きざまと熟練冒険者たちとの対比、『女神官』の成長を描いた一冊になっていると思います。

『女神官』も『ゴブリンスレイヤー(以下、ゴブスレさんと略します)』と共にゴブリンスレイを、そして冒険をし経験を積み重ねたことで、新人冒険者たちと比較すれば技量も判断も格段に上になっていますね。

普段は銀級冒険者である『ゴブスレさん』パーティと共に冒険しているため、比較で未熟な面が表に出てしまっていますが、『ゴブリンスレイヤー 1巻』のころの無知な新人状態とは全く違っていますね。

経験を武器にして成長するというのが、冒険者たちとゴブリンの共通の長所ですね。


『少年魔術師』がゴブリンを憎む理由、戦う理由、そして夢というものが『ゴブリンスレイヤー 6巻』で描かれています。

一人の少年が『ゴブスレさん』や『女神官』たちのパーティと冒険をし、同じ新人冒険者とともに成長することで、自分を知り冒険者をしることで成長して変わっていく姿に爽快感がありますね。

『少年魔術師』は『ゴブスレさん』と同一ではありませんし、彼には彼の夢があり、進むべき道は一つではないというのが良かったです。


弱いけれども恐ろしい憎むべき敵役である『ゴブリン』たちは、今巻でも敵役側のメインとしてその猛威を振るっていたのが良かったです。

確かに個体では弱い『ゴブリン』ではありますが、そんな『ゴブリン』が猛威を振るうのが本シリーズの良いところだと思います。

だから、『ゴブリン』達がより強者の種族に使役されるだけの雑魚になっていると、本作の長所がつぶされてしまう気がしますので。
ですので、『ゴブリンスレイヤー 6巻』での『ゴブリン』の活躍はとても自分の好みに合っており楽しむことが出来ました。


ゴブリンスレイヤー 6巻』では、『ゴブスレさん』達のパーティの連携、親密さが濃厚に描かれていたと思います。

『ゴブスレさん』達が積み重ねてきた冒険の中で絆や想いが大きくなっています。『ゴブリンスレイヤー』初期の作風ですと、パーティーに悲劇が訪れるまでの前振りというところも考えられましたが、最近の感じですと『ゴブスレさん』パーティーに悲劇が訪れるとは思えない安心感がありますね。

この安心感が守られてほしいような、いつ何時悲劇が訪れるか分からないひりついた雰囲気が欲しいような複雑な思いです。

どちらの作風でくるのか楽しみにしつつ『ゴブリンスレイヤー 7巻』の刊行を待とうと思います。



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ネタバレありの感想


ゴブリンスレイヤー 6巻』のネタバレありの感想になります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。

少年魔術師について


ゴブリンを憎み、ゴブリンだけを殺す冒険者を目指していた『少年魔術師』

その『少年魔術師』が向ける『ゴブリン』への憎しみの理由は、大半の読者の想像通りだったかと思います。

ゴブリンスレイヤー 1巻』冒頭で惨殺された女魔法使い。その女魔法使いの弟が『少年魔術師』だったのです。


共に姉をゴブリンに殺され、『ゴブリン』に対する復讐者となる可能性があった『ゴブスレさん』と『少年魔術師』ですが、その2人の違いはどこにあったのでしょうか?

私は作中にあった言葉がその答えだと思っています。

「教わるまで行動に移さないのなら、教わったところで何も変わらん」

この言葉にある様に、たぶん『ゴブスレさん』は復讐のための学習から始めたのではなく、まずはゴブリンたちを殲滅を始めその過程で技術や知識を身に着けていったのでしょうね。


『少年魔術師』は他の誰とも同じではないし、自分は自分であることを学べたことで、第二の『ゴブスレさん』ではなく、『少年魔術師』として冒険者になれたのだと思います。

復讐に凝り固まり他者との交流を拒んでいた物語当初の『ゴブスレさん』ではなく、仲間たちと絆を積み重ね他者をゴブリンの脅威から守るため戦い続ける『ゴブスレさん』でもなく、自分の夢をみつめ達成するために冒険する冒険者となれた『少年魔術師』の未来は苦難はあれど、前途に光があるように思えます。


自分の未来へ一歩踏み出した『少年魔術師』の姿をみた『ゴブスレさん』は、きっとその『少年魔術師』の姿に自分が辿ることがなかった冒険者としての生きざまに憧憬と哀惜を覚え珍しくも笑みを浮かべたのだと思います。


切っ掛けは同じですが辿る道を違えた『少年魔術師』と『ゴブスレさん』。『少年魔術師』の今後の冒険も幕間で見ていきたいなと思いました。



ゴブリンの活躍


ネタバレなしの感想にも書きましたが、今巻は『ゴブリン』達の醜悪さ狡猾さ、強さと弱さが描かれていてとても良かったです。

前巻で登場した『ゴブリンパラディン』、『ゴブリンスレイヤー 1巻』で登場した『ゴブリンロード』といったゴブリン種の中での特別職のゴブリンの強さではなく、ゴブリン種としての強さが描かれていたのが自分的に好みで良かったのですよ。


強敵な個体と生死を賭けて戦うというのも好みではありますが、『ゴブリンスレイヤー』という作品の面白さは『ゴブリン』という弱者が集団の力で脅威となるところや、愚かだが狡猾な知恵で挑んでくるところにあると思っています。

ですので、『ゴブリンスレイヤー 6巻』クライマックスの冒険者訓練場建設地に策をめぐらせて襲い掛かるゴブリンの群れ、その群れと戦う『ゴブスレさん』一行を含む冒険者集団等というシチュエーションはとても興奮しましたし、ワクワクしました。

集団戦闘の描写や、疲労により強者出て危ない場面の描写、それを打開する『ゴブスレさん』の策略とともて美味しく頂けました。

それにしても、今巻の『ゴブスレさん』水責めが大好きでしたね。粉塵爆発、水攻め、火攻め、毒攻めと大分悪辣な戦法が増えてきましたし、次は真空状態にして全滅とか見てみたいな(笑)


ヒロインズの見せ場


ゴブリンスレイヤー 6巻』では、『女神官』の成長が描かれていましたのでその分出番が多くメインヒロインともいえる状態でした。

ですが、その他のヒロインたちもそれぞれ見せ場があり、他のヒロイン好きな人にも満足いく内容だったのじゃないかと思います。


私の個人的な満足点でいえば『受付嬢』さんの『ゴブスレさん』へは自然に出す笑顔と、他の冒険者へ出す営業的な笑顔の差が分かるシーンが良かったですね。

あとは『剣の乙女』さんの『ゴブスレさん』へ向ける重い思慕が垣間見えるシーンが良かったです。あのシーンで『令嬢剣士』が異性的な好意を『ゴブスレさん』に向けていたら、惨劇がおこったんじゃないかという恐ろしさがありましたね(笑)


とらのあな限定のおまけについて


ゴブリンスレイヤー 6巻』をとらのあなで買いましたので、おまけとして『スペシャルショートストーリーリーフレット』をいただきました。

また、「ゴブリンスレイヤー辞典』付きを購入しておりますので、辞典4巻も付属しております。


おまけの『スペシャルショートストーリー』は、『女神官』メインの2Pのショートストーリーでした。『女神官』も年頃の女性らしく甘いものが好きな一面を見せてくれる内容になっていました。


『ゴブリンスレイヤー辞典』の方は過去の時点と同じくイラスト付きの小ネタ集といったところです。

個人的には「鑑定」のネタが好みでした。なんでも鑑定団の中島先生が好きなら大いに笑える内容だと思います。



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コミック版 ゴブリンスレイヤー 1巻 感想

おすすめ
今回のお勧めは『吸血鬼ハンター D』です。
ゴブリンスレイヤー 6巻』のエピローグで、旅立つ『少年魔術師』達を見て笑う『ゴブスレさん』の姿に『D』の姿を重ねてしまいました。

「吸血鬼と人間の混血」であるダンピールの『D』が、人間の命の儚さとその儚さゆえに輝くような人の生きざまに対して向ける称賛と憧憬の混じった笑顔を思い出しましたし、『ゴブスレさん』の笑顔にも重なりました。
『ゴブリン』への復讐者としてではなく、冒険者として踏み出した『少年魔術師』の姿は、『ゴブスレさん』にもあり得た未来の一つにも見え哀惜と憧憬が混じった笑いを出したのではないかと思います。

『吸血鬼ハンター D』は刊行時期は古いですが、ファンタジー小説の源泉ともいえる内容ですし、主人公『D』も敵役も魅力ある人物が多いのでお勧めの1冊です。

吸血鬼ハンター1 吸血鬼ハンター“D”
朝日新聞出版 (2012-08-01)
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この記事へのコメント

  • 女魔法使いに「とどめ」を与えたのはゴブリンスレイヤー
    その告白があるかどうかドキドキしてたけど無かった
    知らなくていい事だと思うけど、いつか少年魔術師が知る日が来るんだろうか
    2017年09月22日 21:38
  • くじらさん

    コメントありがとうございます!

    少年魔術師のゴブリンスレイヤーへの反発は、姉である女魔法使いを結果的に殺したことへの憎しみと、苦しみから解放してくれたことへのやるせない感謝の心の板挟みかと思って読んでいましたが、最終的にそんなことはなかったですね。

    6巻冒頭の少年魔術師のままでしたら、その事実を知った時に逆恨みをしそうでしたが、今の少年魔術師は自身が冒険者として経験したことで悲しみや怒りを感じても直接ゴブリンスレイヤーさんにはぶつけない気がします。
    出来れば少年魔術師が冒険を通じて成長するまでは、その事実を知る日が来ないといいなと思います。
    2017年09月25日 00:18