幼女戦記 4巻 Dabit deus his quoque finem. 感想 ネタバレ

幼女戦記 4 Dabit deus his quoque finem.
幼女戦記 4 Dabit deus his quoque finem.
《Amazonからのあらすじ引用》
世界を敵にまわして、幼女は戦う

愛くるしい幼女の外見をしながらも
『悪魔』と忌避されるは、
帝国軍の誇る魔導大隊指揮官、ターニャ・フォン・デグレチャフ魔導少佐。

砂塗れの南方戦線から帰還するや否や、
待構えていた参謀本部より彼女に発令されたのは、胡散臭い『演習命令』。
それは、連邦領への極秘裏に遂行される越境作戦。

そこで目の当たりにしたのは……誰もが、ありえないと信じて疑わなかった連邦の参戦。
その幻想は、放たれる列車砲の一弾と共にかき消される。

帝国は、戦うしかない。世界の全てを敵に回しても。
もはや勝ち続ける以外に道はない。
その先にあるのは不朽の栄光か、栄光の残照か。
答えは、ターニャ・フォン・デグレチャフだけが知っている。


アニメ絶賛放送中。

原作の売り上げも絶好調の幼女戦記。

幼女戦記 4巻 Dabit deus his quoque finem.』の

ネタバレありの感想になります。

ネタバレありの感想になりますが、ネタバレありの感想の前には注意書きをおいております。

ネタバレありの感想になるまでは『幼女戦記 4巻 Dabit deus his quoque finem.』を

未読の方に読んでいただいても問題ない感想になっていると思います。


幼女戦記の人気急上昇中ですね。

本当に何度も書きますが、アニメ化の影響ってすごいです。

もちろんまず原作の面白があって、その上でアニメによる面白さがあってだとは思います。

中にはアニメ化したけれどもアニメの出来が悪いため、

原作小説の人気まで下がってしまうことがありますからね。

幼女戦記に関していえばアニメ化とマンガ化の影響は大きいです。

私はどちらも視聴していますが、どちらもその媒体ゆえの良さが当然ありますし、

描き足りていない部分があると思います。

原作小説、アニメ、マンガとそれぞれの良さを引き立てつつ、

それぞれがもっている欠点を別の媒体の美点で補えているので

それぞれの媒体に手を出したくなるという相乗効果がありますから。

アニメ化まで興味なかった人も、アニメを見て原作小説やマンガの方を購入しているようですね。

アニメ1期も半分を経過しました。

残り話数で行くと共和国戦までが一区切りになりそうです。

私自身の希望といたしましては1期だけでは終わらず、2機も見たいなって思います。

なによりアニメでも顔見世をした『メアリー・スー』さんについて、

アニメ視聴組とも語りたいなって思いますから(笑)


毎回、最初にアニメについての話をして感想から脱線してしまってますね……

まずは、『幼女戦記 4巻 Dabit deus his quoque finem.』のネタバレなしの感想に入ります。


■□ネタバレなしの感想□■


幼女戦記 4巻の副題となっています「Dabit deus his quoque finem.」は、

ラテン語で「神はこれら(の苦しみ)にも終わりを与えるだろう」という意味だそうです。

「神はこれら(の苦しみ)にも終わりを与えるだろう」という意味からすると、

周辺国の大半と戦争状態となり四面楚歌状態となった帝国の斜陽、

帝国の終わりの時を連想してしまうかもしれないですが、

単純に帝国の終わりの始まりを告げる副題とは思えないです

確かに帝国は四面楚歌で苦しい状態ではありますが、まだ敗北が確定したわけではありません。

真の敗北となる終わりの始まりは、合衆国の参戦の報と共に来ることから始まると思います。


それでは、この副題の意味を考えるとなにに当たるのでしょうね?

参戦してきた連邦側の指導部であるヨセフとロリヤは、

帝国へ宣戦したことで神の御使いからの宣告に悩まされることから解放されました。

また連合王国では連邦参戦の報により帝国へ単独で対峙する苦しみが終わりを告げました。

『デグさん』も一次的ですがついに念願の後方勤務職を手に入れて

前線勤務の苦しみに終わりを告げました。

色々な立場、国の人たちがそれぞれの苦しみに終わりを告げることが出来たと言えますが

『デグさん』を代表としても、その苦しみの終わりは次の苦しみの始まりでしか無いという

皮肉にしか思えない内容ですね。

真に「神はこれら(の苦しみ)にも終わりを与えるだろう」といえるようになるには、

それぞれ立場や望む結末は違えども手段は「帝国の戦争の終結」でしかないのは皮肉ですね。

やっぱり、『存在X』の存在が悪いような気がしてきたぞ(笑)

「終わりを与えるだろう」という副題にもかかわらず、まだまだ終わりがみえず

起承転結でいうところの「承」の内容に思えます。

全体的に帝国優勢の情勢の中で、特に活躍している『デグさん』と『二〇三魔導大隊』という

描かれ方を今まではされていました。

ですが、幼女戦記 4巻では戦線が広がり予備兵力補給が厳しい情勢のなか膠着している戦場、

劣勢になりつつある一部戦線での『デグさん』と『二〇三魔導大隊』の活躍を楽しむ

という内容に変わってきたかと思います。


戦記物としては劣勢な見方のなか奮戦する主人公というのはまさに王道的な展開です。

ですが、そんな状況で味方の為に奮戦する『デグさん』とかイメージ違いますよね。

劣勢となった状況に悪態をつきつつ、自己保身と出世のために悪戦苦闘する『デグさん』を

楽しく愛でていきたいなって思いますね。


まあ、『デグさん』が悪戦苦闘するのって結構自業自得なところがあるから仕方ないですね。

基本優秀なんですが自身を客観視する能力と、他者の思考を測る能力が意外と欠如してますから。

4巻で言えば、『ヴィーシャ』とのやり取りでの「若い者には苦労をさせないと」という発言や、

『ゼートゥーア』さんに戦力の適切な運用を提言するところなんてまさにそれでしたね。

戦場での奮闘、悪戦苦闘と、『デグさん』とその周辺とのディスコミュニケーションギャグを

楽しめるという意味で幼女戦記 4巻は本当に面白かったです。

幼女戦記 3巻では栄光や希望がみえた後の絶望という感じで沈んでしまう点もありました。

ですが、幼女戦記 4巻では序盤から『デグさん』と『二〇三魔導大隊』の奮闘が

楽しめるという点が最高に面白かったです。

特にノリノリで映画撮影までしてしまう『デグさん』は貴重だ。

145ページにある『デグさん』の挿絵は本当に良い笑顔をしていましたよ。


連邦が参戦し、引き続き連合王国との戦争も継続中と終わりがみえぬ戦争の中

立場が変わった『デグさん』と『二〇三魔導大隊』の面々の活躍、奮闘、悪戦苦闘を

楽しみにして、幼女戦記 5巻も読んでいこうと思います。



それでは、ここから下はネタバレ注意になります。

幼女戦記 4巻 Dabit deus his quoque finem.』の

ネタバレありの感想となります。

未読の方やネタバレを見たくない方は、ここで引き返すことを推奨いたします。





ネタバレありの感想



幼女戦記 4巻での戦争状態



いよいよ連邦が参戦してきましたね。

これで帝国周辺の主要国ではイルドア王国を除き、すべて帝国と敵対という泥沼。

覇権国の出現を許すことは出来ないとはいえ、この状況は酷いですね。

参謀本部が目立ち最高統帥府が目立たないのが問題の最たるところです。

軍人は戦場での勝利を目的としており、戦場外の問題は管轄外ですから。

政治、外交の力で終戦、停戦が出来ない以上、一時の勝利はあれど

最終的な勝利を得ることは叶いません。

まあ、今回参戦してきた連邦に関していえば最高統帥府が優秀であったとしても

戦争抑止や、開戦後の停戦・和平は無理でしょうけど。


理性的に考えると開戦時期としては相応しくない時期でしたが、

宣戦理由が連邦首脳陣の対帝国への恐怖心では読めないですね。

理性の通じる相手にはこちらも理解ができ、対話も可能でしょうが、

感情面からの反発であると常識が通じず理解も対話も出来ないでしょうね。

帝国と連邦、どちらかが経戦能力をなくすまで終わらない泥沼の戦争の始まりです。

切っ掛けは信仰心を持たぬ共産主義者へ対する神の御使いからの警告ですが、

連邦は遅かれ早かれ覇権を握りつつある帝国に対しての恐怖心から宣戦していたと思います。


連邦自体は、共産主義体制によくある指導者への恐怖をもって統制されています。

戦争の際も前線の敵よりも、後方にいる指導者『ヨセフ』への恐怖や、政治闘争を

持ち込んでおります。

そのため連邦の物量に対する脅威はあれど、その戦術や統制面での脅威は現時点ではありません。

現実を直視し、体制を変えるべく意見した優秀な政治将校を更迭してしまうほど愚昧ですから。

犠牲になったチョバルコフさんには憐憫がありますが、この体制では帝国には勝てないでしょう。


魔導師への対策に関してもダキアと変わらず『デグさん』に蹴散らされる程です。

ダキアと連邦の違いとして大きいのは脅威としている物量の差と、

指導者層の能力の違いですね。

連邦は現実のソビエト連邦と同じく兵士は畑からとれるという物量があり、

予備兵力が尽きつつある帝国からすると脅威以外の何物でもないです。

ただでさえ前線に回す戦力が付きかけているところに、

帝国の倍以上の戦力がある相手と戦うのはキツイですね。

消耗戦を挑まれてしまえば、回復力の違いで帝国側の敗戦間違いなしですから。

その状況を覆し反撃できているのは、帝国参謀本部の優秀さと兵士の練度があげられます。

ですが、劣勢の連邦上層部は一方的にやられるだけではなく、

状況を理解でき変化することが出来る優秀な指導者がおります。

それが『ヨセフ』おじさんであり、『ロリヤ』さんなのです。

『ロリヤ』さんなんて名前が表す通りというか幼女趣味の変態ですが、有能なのでたちが悪い。

『デグさん』に惚れて、彼女を手に入れるために全力を尽くし勝利を目指すというんですから

本当にタチが悪い(笑)

『ロリヤ』さんがいる限り、帝国に一方的に蹂躙されることはないでしょうから、

帝国にとっても『デグさん』にとっても脅威の人物です。

回復力があり、学習することもできる相手に対して幼女戦記 5巻ではどう戦っていくのかが

楽しみになるところですえ。

サラマンダー軍団の初陣は東部戦線となりましたので、そこでどう『ロリヤ』が立ちはだかるのか

そして『デグさん』は立ちはだかる『ロリヤ』を、連邦軍をどう倒していくのか楽しみです。



デグさん軍団長になる



南方戦線から戻ったと思いきや、すぐに対連邦のため東部に派遣される『デグさん』

『デグさん』と『二〇三魔導大隊』が優秀だからこそ緊急時の即応部隊として

便利使いされてしまっていますね。

『デグさん』の優秀さは上にも伝わっていますが、優秀ゆえに前線勤務から外すことができず

『デグさん』が希望している後方勤務がより遠くなるという悪循環です。

『デグさん』本人は本当に優秀なんだけど、その優秀さが空回りというか、

本人が望む状態からちょっと外れているところが、この作品の面白いところですね。


対連邦戦では、連邦に魔導師がいないという状況から無双の活躍をしていて、

その爽快さにスッキリしてしまいました。

幼女戦記 3巻中盤でのデグさんの慟哭をみていただけに、無双っぷりが余計に良く思えましたよ。

まさか連邦首都襲撃の上に、ノリノリで敵重要施設破壊と映画撮影まで行うとは(笑)

『デグさん』は、本当に共産主義者に打撃を与えるときは普段の自重っぷりを外して

ウォーモンガーっぷりを見せつけてくれますわ。


連邦首都襲撃が原因で査問会にかけられましたが、

査問会時の視点が『レルゲン大佐』に代わり『デグさん』の心境は描かれておりません。

そのため、読者も『レルゲン大佐』と同じように『デグさん』の心境を推し量るしかありません。

私の想像ですけど、たぶん査問会の時の『デグさん』は、これは後方勤務になるための

チャンスだと捉えていたような気がするんですよね。

査問会後、希望配属を確認された際に後方勤務となりたい理由に査問会をあげていますから。

不満を述べて希望の後方勤務へ行くチャンスだ!と考えていたと思えて仕方ないです。

ただし、その後方勤務を希望する際の『ゼートゥーア』さんとの対話は失敗してましたね。


「戦力は適切に運用しなければなりません」

『デグさん』からすれば戦力を適切に運用するため、

『デグさん』自身が後方で研究と献策をする立場にという思いでした。

ですが、『ゼートゥーア』さんからすると、戦争に勝つためには適切な戦力運用が必須、

そのために『デグさん』が後方で戦力運用の研究をした上で戦うと捉えられていますからね。

前線で有能さをアピールしすぎた『デグさん』が後方に行きたい、研究したいなんていったら

自身が率いる部隊の有効活用したいと思われますよね。

『デグさん』希望の後方勤務は短く終わり、『デグさん』自身の軍団を編成して

東部最前線へという望まぬ戦場へ旅立ちます。

大隊長から、軍団長へと立場が変わった『デグさん』

『デグさん』が率いる軍規模が大きくなったという事は、

戦場で与える打撃力も大きくなったという事です。

ますます泥沼化していく戦争の中、『デグさん』と『サラマンダー軍団』が

奮闘、悪戦苦闘する姿を楽しんでいきたいですね。

幼女戦記 5巻では東部戦線で戦う『デグさん』を見ていこうと思います。



おまけ:幼女戦記 4巻のメアリースーさん



『メアリー・スーさん』がいよいよ重要な味方と、因縁ある敵に出会います。

重要な味方の方も、因縁ある敵の方も『メアリー・スーさん』に会いたくなかったでしょうが。

訓練中の『メアリー・スーさん』とか青春学園ものの正統主人公かというくらい、

まだ見ぬ戦場への不安と訓練への努力、同じ訓練生の仲間との何気ない一コマと

輝いているシーンが多くてよかったんですけどね。

どうして続刊だとああなってしまったのでしょうか(汗)


因縁ある敵(デグさん)と戦場で出会い敗北をするが、

父親の仇として認識するとかこれも正統主人公の系譜なんだけどな。

でも、相手が『デグさん』だとすると、その想いと決意が報われることは無いだろうな。

そしてドレイク中佐もこの時の助言で結果的に救った相手『メアリー・スーさん』に、

続刊で延々と苦しめられることになるとか想像できなかったでしょうね。


『メアリー・スーさん』は本当にファンタジー小説の主人公としては正統派なんだけど

近代軍隊の士官としては落第間違いなしなので、出てくる作品を間違えたとしか。

疎開先の合衆国で祖母とアップルパイを作っていてくれればな。

それこそが『メアリー・スーさん』を除く誰もが望む未来だったのにな。


幼女戦記 5巻からが『メアリー・スーさん』の本領発揮が始まります

また次巻でも『メアリー・スーさん』の特集をしようと思います。


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補給の大切さ、包囲殲滅の偉大さもこの『ヤン・ウェンリー』さんに教わりましたよ。
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