インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 感想

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 (角川スニーカー文庫)
インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 (角川スニーカー文庫)
《Amazonからのあらすじ引用》
3分後、僕の未来が決まる。3年後、君が救いにきた

西暦2021年に発生した奇病”夢現譜症候群(ディー・スコア・シンドローム)”。
感染した人間は必ず、“ある時点の未来”に3分間だけ自分の意識が飛ばされてしまう。歩いていようと、運転していようと、何をしていても逃れられないパンデミックは同時多発的に発生し、世界は大混乱に陥った。14歳の時に病にかかったレオは、ロンドン市内で無差別に人を斬り倒す未来の自分を見つけてしまう。その3年後、夢現譜症候群の謎を追うレオの前に「あなたを殺しにきた」という少女が現れて・・・・・・。


インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告』 のネタバレを含む感想になります。

2029年12月31日 23時57分からの3分間を未来視する奇病「夢現譜症候群」

ヒーローとなる夢を目指していた主人公『レオ』は、自分が殺人鬼となる未来を視る。

その殺人鬼に至る未来を変えるため、「夢現譜症候群」の原因を探し、戦う物語。

主人公『レオ』のパートナーとなるのは自称エリートのポンコツヒロイン『ティア』

『レオ』が殺人鬼となるなら抹殺するための役割を担う。


このメイン格の二人を中心として、未来を視た人間、未来を視えなかった人間が

各々の未来を守るため、各々の未来を変えるため戦う異能バトル物です。


この本は夏鎖芽羽さんがTwitter上でお勧めの本を一冊教えていただける企画をしていた際に

私にとってのお勧めの本として紹介いただいた本になります。

夏鎖芽羽さんにお勧めいただけたことで『インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告

という面白い小説と知り合えましたので、夏鎖芽羽さんには本当に感謝ですね。


夏鎖芽羽さんは【本達は荒野に眠る~まだ見ゆ最果てへ】というラノベ感想Blogを

主催されており、感想数の多さと感想の内容とはうちとは比べ物になりません。

上記サイトを知らないという方は少ないと思いますが、知らなかったっという方は

一度訪問されてみることをお勧めいたします。

魅力的なキャラクター、ストーリの説明など、感想のスタイルが定まっていますし、

内容についても興味を引いていますし、見習いたいところです。


夏鎖芽羽さんの『インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告』 の感想はこちら


っと、ここまでは『インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告』 の内容とは

まったく関係ない話になってしまいましたね。

以下は、『インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告』のネタバレなしの感想

ネタバレ箇所になるところには、見出しで【ネタバレの感想】と書いてあります。

なので、その箇所に至るまではネタバレを避けたい方、未読の方でも大丈夫ですよ。


ネタバレなしの感想



久々の現代異能バトルものの作品を読みましたが、面白かったですわ。

面白く感じた理由は、主要キャラたちが魅力的だったのが1番に来ますね。

主人公の『レオ』がヒーローとしての姿を体現しています。

弱者を守ることを第一として、誰かを救うためには自己を犠牲とすることを厭わない

まさに正義の味方の精神をもったヒーローであります。

そんなヒーローとしての姿を見せている『レオ』が、「夢現譜症候群」で視せられた

未来で大量殺人鬼となっているわけですから、レオの心境を考えると辛いですね。

ただ、『レオ』も単純な正義のヒーローらしい姿を見せる傍らで、

敵を倒すときに見せる残虐な姿や、『ティオ』を尋問する時に見せた高圧的な姿は、

殺人鬼になると思われても仕方ない姿を現してもいるように思います。

この極端な2面性があることで、読者にも将来殺人鬼になるんじゃないかと

思わせている気がしますね。


ヒロインである『ティア』は、普段のポンコツ気味のところはポンコツ可愛いですが、

ここぞというときに見せる姿は、ヒーローである『レオ』に似合いのパートナーですね。

『レオ』が未来の殺人鬼になることを防ごうとする使命感ある姿もいいですが、

それ以上に『レオ』を決して未来の殺人鬼なんかにはさせないと支え、

信じる姿がいいんですよね。

普段のポンコツ名部分がギャップとなって使命感あるときの真剣の姿が、

いっそう輝いて見えますわ。


『レオ』と『ティア』という主要な人物が魅力的なのはもちろんですが、

それ以外にも魅力的な人物として、『レオ』を支えるサポート役の『リサ』、

『レオ』とも旧知であり闇社会の住人でもある悪役『ラビット』

この二人のキャラクターもとても魅力的なので、出てくると盛り上がるんですよね。


特に『ラビット』は悪役としていっそう輝いていますわ。

単純な悪いことをする犯罪者でもなく、かといって世界を怨み世界の破滅を望むラスボス然とした

悪役でもなく、自身の中に悪役としての矜持もちヒーローに立ち向かうものとして

確固たる個性を放っています。

他作品で類似的なキャラクターを考えると「バットマン」のヴィランである「ジョーカー」が

近いような気がします。

『ラビット』がラスボスになるかは分かりません。

ですが、『レオ』が殺人鬼とならない未来に至るためにも、

ヒーローとして成長していくためにも、作品をいっそう面白くするためにも

『ラビット』の存在は不可欠だと思います。


ここまでキャラクターのことばかり書いているのでお分かりとは思いますが、

本当にこの作品のキャラクターたちが魅力的で好きなんですわ。

2016年度最高悪役賞があったら『ラビット』に一票入れますね。

まっすぐな主人公部門は『レオ』にと思いましたが、

戦闘時、尋問時の姿に二面性の危うさを感じるので、

そちらは『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム』の主人公である

『レイ・スターリング』の方に一票かな(笑)



キャラクター以外の要素としても、「夢現譜症候群」にかかったものが発動する異能や、

枝分かれしていく未来を固定するといった要素や、単純なボーイミーツガール物としての

楽しみと、色々な楽しそうな要素が山盛りとなっていますので、2巻以降も話を膨らませて

いけそうな雰囲気がありますね。

まだ未読の方で異能バトルが好きな方、未来視を初めとした厨二病設定が好きな方には

お勧めなので、ぜひ手にとっていただければと思います。





それでは、ここから下はネタバレありの感想になります。

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告』のネタバレを見たくない方は、

ここでいったん引き返すことをお勧めします。









ネタバレ有りの感想



ネタバレなしの感想でも何度も書いていますが、登場キャラクターがいいですよね。

ヒーローを目指し、望まぬ殺人鬼となった自分を見てしまった『レオ』

自身の未来を見ることができず生ける屍(リビングデット)となりながらも、

ヒーローである『レオ』を憧憬する悪役『ラビット』


この二人の正義と悪のキャラクターの対比がいいですね。

正義と悪とはしていますが、『レオ』も単純な正義の味方といった姿以外にも

危うさを見せていますし、『ラビット』のやったことは甚大な被害をもたらしていますが、

単純な悪意を持ってでの行為では決してありませんでしたから。


『ラビット』がこの巻の最後、胸に抱いた「ヒーローに勝ちたい」という言葉は、

『ラビット』の魅力を増幅させたと思いますし、何より私の胸を熱くしましたよ。

『ラビット』は今後も『レオ』たちの前に立ちふさがるでしょうが、

『レオ』を「倒す=殺す」ということではなく、

『レオ』のヒーローとしての心を折にくるんだと思いますね。

『レオ』に勝ちたいが、『レオ』にはヒーローでいてもらいたいという

アンビバレンスな想いが『ラビット』の魅力の源泉だと思います。

なので、『レオ』がヒーローではなく殺人鬼となったときに、

『レオ』をとめるのは『ティア』ではなく、『ラビット』なのかもしれません。



望まぬ未来を視た『レオ』、未来が視えなかった『ラビット』

その二人と違い、いかなる未来を視たか語られていない『ティア』

『レオ』を殺人鬼としないという使命感の源泉には、パンデミックの際に

『レオ』に命を救われたということもあったと思いますが、

『ティア』が視たであろう未来も関係あるのではないでしょうか?


『ティア』自身のポンコツなところや、使命感を持ち戦う姿は見えましたが、

彼女自身のバックボーンは何一つ語られておらず、パンデミックが発生した際に

何故搬送されていたのか?

次は私の番とはどういった意味で語られているのか?

なぜ、学園ではなく騎士団で教育を受けていたのか?

など『ティア』については序盤から謎が多いことを示唆されています。

この謎がパンデミックと関係あるのか?

『レオ』との関係に影響を与えてしまうものがあるのかといったところが気になりますね。

なにより『レオ』が殺人鬼となった未来で『ティオ』のことに触れていないのが、

何らかの別離を臭わすような気がしてなりません。

まあ、『レオ』と『ティア』の間にいくつも困難が待ち受けていてもきっと乗り越えるでしょう。

なぜなら、謎を持つ美少女を救い結ばれるのがボーイミーツガール物の鉄板ですからね!





魅力的登場人物、枝分かれしていく未来を固定化してスクルドの望む未来ととする目的、

『レオ』と『ラビット』正義と悪の関係の決着、『ティア』自身の謎という

面白要素が満載なので、次巻は発売美に購入して読もうと思います


繰り返しになりますが、本作『インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告』を

お勧めしてくださった夏鎖芽羽さんには本当に感謝です。


ネタバレなしの感想の際に触れていますが、
この-インフィニット・デンドログラム-の
主人公である『レイ・スターリング』も、今どき珍しい真っすぐなヒーローですね。
彼の場合はまだ成長途上ですが、ヒーローたる素質は身につけています。
周りを固めるキャラクターも魅力あるメンツぞろいですので、
まっすぐな主人公が好き、成長物が好きでしたら本作はお勧めです。
自分も『-インフィニット・デンドログラム- 2巻』を
発売日に購入しようと思います。
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-  2.不死の獣たち (HJ文庫)
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