【ネタバレあり感想】ゴブリンスレイヤー (蝸牛 くも) (GA文庫)

ゴブリンスレイヤー (GA文庫)
ゴブリンスレイヤー (GA文庫)
《Amazonからのあらすじ引用》
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」
圧倒的人気のweb作品が書籍化!

「ゴブリン以外に用はない」
これは、小鬼を殺すだけの男が「冒険者」になることを願う物語。

「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)
にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。
それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった。
彼は手段を選ばず、手間を惜しまずゴブリンだけを退治していく。
そんな彼に振り回される女神官、感謝する受付嬢、彼を待つ幼馴染の牛飼
娘。そんな中、彼の噂を聞き、森人(エルフ)の少女が依頼に現れた――。
圧倒的人気のWeb作品が、ついに書籍化! 蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー、開幕!


他作品では雑魚の代名詞であるゴブリンを恐るべき悪意として描き、

その悪意を駆逐することに全てをかける1人の男を主人公とした人気作

ゴブリンスレイヤー 1巻の感想になります。

ゴブリンスレイヤー 2巻の感想は書いていたのですが、

ゴブリンスレイヤー1巻の感想は書いておりませんでしたので、

再読したのを機に感想を書いてみました!!



再読して改めて認識しましたが、作中でも最弱と言われているゴブリンの

種族としての恐ろしさと、人間とは相いれない残虐さを作中に渡って描いていますね。

子供並みの知能と背丈、力と個体では脅威ではないのですが、

繁殖力の強さからの数的優位と地の利や道具を使う知能は村人や新人冒険者にとっては、

限りなく脅威ですね。

自分に置き換えて相対してみれば、小学生程度の男子一人と正面から闘えば負けないでしょうが、

暗闇から不意打ちしてくる小学生や、1学級程度の男子小学生が襲ってくると考えれば

どうやっても勝てる姿が想像できないですからね。

ライトノベルのファンタジー物として、種族としての掘り下げや集団としての脅威を

描く作品というのは少ないので、その面でこのゴブリンスレイヤーという作品は、

他作品に類似の少ないユニーク性を良い面で発揮していると思います。



敵としてのゴブリンのことを掘り下げて描いていますので、

それと対峙する主人公『ゴブリンスレイヤー』通称ゴブスレさんの個性も輝きますね。

純然たる悪意の塊、ゴブリンを駆逐する一人の銀級冒険者ゴブリンスレイヤー

そのゴブリンに対して粛々と戦い駆逐していく姿は、一種ハードボイルドな雰囲気がありますね。

そんなゴブスレさんがゴブリンを駆逐していく中で、女神官と知り合い仲間となっていく過程や

牛飼い娘や、受付嬢の支えを通して、徐々に変わっていく姿もよかったですわ。



いつ、どこで誰が死ぬか分からない緊迫感と、その裏側にある主要人物たちそれぞれ想いと行動に

この作品の面白さが詰まっているんじゃないかと思いますね!

漫画化に伴いこのゴブリンスレイヤーという作品を知った方も多いと思いますが、

漫画で興味を持った方が居ましたら、ぜひ小説版のご購入をお勧めしますよ~

現状2巻まで刊行されており、4巻までは刊行予定となっていますが

1巻で綺麗にまとまっていますので、まずこの1巻を買ってみて、

この作品が自分にとって合うか合わないかを見てみるのもいいと思いますよ。



さて、ここから下は、ゴブリンスレイヤー1巻のネタバレを含む感想になります。

まだ未読の方はネタバレを含む感想になります。

まだ未読の方は、ここで引き返すことをお勧めいたします。









上の微ネタバレの感想でも書いていますが、ゴブリンの恐ろしさが嫌というほど書かれていますね。

世界に対する憎しみと悪意の権化であるゴブリンと対峙する恐ろしさは半端ないですわ。

冒頭の女神官が最初に参加したパーティーに訪れた惨劇は、ゴブリンの脅威と悪意を表す

何よりの出来事でしたね。

ゴブリンは数の力と地の利を活かしますし、何より学習して道具を使うことができる。

準備や調査まで手が回らない新人冒険者や、戦うすべを持たない村人にとって天敵以上です。

ただでさえ弱者が戦うには比較すると強い相手であるゴブリンですが、何よりその悪意が恐ろしい。

各章にゴブリンの犠牲者が描かれていますが、遊び半分に残虐な行為をするゴブリンの姿には、

身の毛がよだつこと間違いなしですよ。



弱いけれど脅威で悪意の塊であるゴブリン。

その弱さから報酬が低く中堅以上の冒険者には敬遠される。

新人冒険者にとっては生死をかける試金石となるくらいには、弱いといっても強い。

このバランスがゴブリンが冒険者のいる世界で生きのこるためのバランスとなっていますよね。

もう少し弱ければ新人冒険者でも危なげなく駆逐できる。

もうちょい強ければ報酬があがり中堅以上の冒険者も退治に乗り出せる。

そんな新人では手に負えず、中堅ではやりたがらないゴブリン退治を

誰よりも率先して、それ以外の冒険には見向きもせずに行う一人の冒険者が

ゴブリンスレイヤーその人なんですよね。



ゴブリンスレイヤーさんは、自身で名乗るくらいにゴブリン駆逐に全てをかけている男です。

装備自体もゴブリンを対峙することに特化していますし、

思考もいかにゴブリンを駆逐しつくすのかという点に絞られています。

その姿と生き様はまさに偏屈者。親しい人間も少なく、他の冒険者たちからの偏見にもさらされています。

まあ、あの不器用というかコミュニケーション能力の低さだとそりゃ誤解もされますわな(笑)

他の冒険者の視点から見れば、ゴブスレさんはあまり冒険者仲間と認めたくないのも分かりますね。

未知を探求し、世界を広げるといった冒険者としての生き方ではなく

ゴブリンを駆除することに特化したある種掃除屋としての生き方ですから。

ですが、世界の危機や未知の探究をするのではなく、身近な脅威であるゴブリンを駆逐する

ゴブリンスレイヤーさんに救われた人々や村も多いのは事実なので、

ゴブスレさんが認められないのも、もどかしいですな。

でも、この巻の最終決戦であるゴブリン王とその軍勢との戦いで、

ゴブスレさんが冒険者に助けを求めた時の冒険者たちの反応をみるに、

意外と認めたくはないんだけど、本心ではゴブスレさんのことを認めてくれてるんだろうな。

助けを求めるんじゃなくて、冒険者には依頼をしろという台詞には

冒険者としての矜持と、ゴブスレさんのことも冒険者として認めているよう思え

このシーンには胸が熱くなりましたな!!


冒険者たちとのエピソードや、その他ゴブリンスレイヤーさんにとっての大事な人たちである

ゴブリンの巣で助け、その後仲間となった女神官

ゴブスレさんを探し訪ねともに冒険をして危機を乗り越えた妖精弓手、蜥蜴僧侶、鉱人道士

以前から支えてくれていた牛飼い娘や受付嬢

そういった人々との交流と想いを通じて、ちょっとずつ変わっていく姿が良かったですわ。

ゴブリンは駆逐するが、それだけではなく冒険をしたいと言ったシーンは胸があたたかくなりましたね。



ただただゴブリンを駆逐するマシーンのようなゴブスレさんから

ゴブリンを駆逐しつつ冒険者もしたいと変わり始めたゴブリンスレイヤーさんの

次なる冒険とゴブリン退治も続刊で楽しみにしたいですね。

既に刊行されている2巻では、そのスタンスは変わっていなかったので

9月14日に刊行されるゴブリンスレイヤー 3巻ではどうかも楽しみですな。





その他、この巻で気になった点を以下につらつらと記載してます~

・固有名詞が出てこないスタイルですね
 1巻完結だからかと思いましたが、続刊がでますし
 途中からこのスタイルを変えるの難しいので、
 最後まで固有名詞なしで逝くのかと思うと凄いな

・1巻ではヒロイン候補は4人かな
 女神官、妖精弓主、牛飼い娘、受付嬢
 悩ましいですが今のところ一押しは受付嬢さんですな(笑)
 2巻の特典短編が受付嬢さんだったというのが理由っぽいな

・装備面は費用対効果を考えているゴブスレさんですが
 召喚のスクロールをゴブリンに使おうとしていたのを考えると
 ゴブリンが倒せるなら高価なものでも湯水のように使いそうですね。
 ゴブリンキラーの剣かみきり丸を手に入れる機会がきたら楽しそう

・ゴブリンの残虐さが凄すぎる
 要塞に住み着いたゴブリンたちの行為は身の毛もよだつ
 他作品との比較で申し訳ないが、残虐さで言えばトップクラスの敵だわ
 悪意しかないし、共存とかむり過ぎる
 ゴブリンを主人公サイドにした作品を素直に見れなくなっちゃうわ(笑)


今回はこんなところで。
拙い文章を読んでいただきまして、ありがとうございました。


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コミック版 ゴブリンスレイヤー 1巻 感想



ゴブリンスレイヤーという作品の認知度は、書籍版の刊行で一段上がり
漫画版で二段ぐらい上がった気がしますね。
読むときの敷居の高さは小説よりマンガの方がやはり低いのでしょうね。
漫画版ゴブリンスレイヤー1巻の発売日は9月13日予定となっています。
小説はちょっと敷居が高いなって人は、まずは漫画版から入るのはどうでしょうか?


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この記事へのコメント

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    どうぞよろしくお願いいたします。
    2016年09月01日 12:29

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